Next.js デプロイ3社の比較と手順?商用利用の最適解【保存版】

モダンWeb開発

この記事のポイント

Next.jsデプロイはVercel・AWS・Cloudflare Pagesから要件と予算に合わせて選択し、GitHub連携による自動化でSSR・SSG・ISRを最適な環境で公開できる。

Next.js デプロイ3社の比較と手順?商用利用の最適解【保存版】

Next.jsで開発したアプリを最適な環境へ公開する手順を知りたい、あるいはエラーを防ぎコストを抑えながらスムーズに運用したいと考えている方も多いのではないでしょうか。Next.jsデプロイの仕組みを正しく理解することは、Webサイトのパフォーマンスを最大限に引き出すために欠かせません。

こうした疑問に答えます。

本記事の内容

  • VercelやAWSなど主要なデプロイ先の比較
  • 各サービス別の具体的なデプロイ手順
  • 公開時のエラー対処法と運用のポイント

Next.jsをデプロイするには、レンダリング手法や予算に合わせてVercel、AWS、Cloudflareなどの最適なサービスを選択することが重要です。選ぶプラットフォームによって、ビルド時間やスケーラビリティが大きく変わるため注意しましょう。

本記事を読めば、専門知識がなくても最小限のコストで安定した実行環境を構築できます。プロジェクトを成功させるために、まずは自分に合ったデプロイ先を見つけることから始めましょう。

Next.jsをデプロイする前の事前知識

Next.jsのロゴが刻まれたターコイズブルーに輝くクラウドデプロイの概念画像

Next.jsとはReactベースのフルスタックフレームワークで、デプロイを成功させるにはプロジェクトで採用しているレンダリング手法を把握する必要があります。選択した機能によって、必要となるサーバー環境や最適な設定が異なるからです。

デプロイ作業をスムーズに進めるため、まずは基本となる4つの実行形式とそれぞれの要件を解説します。

SSR実行環境の前提条件

SSRを動作させるためには、リクエストごとにJavaScriptを実行できるNode.js環境が必須となります。アクセスがあるたびにサーバー上でHTMLを生成するため、Vercelなどではサーバーレス関数として処理されます。

デプロイ時には、以下の点に注意してください。

  • 実行可能時間の制限
  • 環境変数の設定
  • セキュリティ管理

APIキーなどの秘匿情報は、デプロイ先の管理画面で事前に設定しましょう。SSRはリアルタイム性が高いサイトに適していますが、サーバーリソースを消費する点には留意が必要です。

SSGビルド時の特徴

SSGはビルド時に全てのページをHTMLとして出力する手法です。デプロイ作業のメインはビルドコマンドの実行であり、静的ファイルが生成されます。

SSGには以下のようなメリットがあります。

  • 高速な表示速度
  • 優れたコスト効率
  • 最適化機能の活用

リクエスト時に計算が発生しないため、CDNを通じて即座にページを表示できます。ブログやドキュメントサイトなど、パフォーマンスを重視するプロジェクトに最適です。

ISRの動作要件

ISRはSSGの利点を維持しながら、公開後もバックグラウンドでページを更新する仕組みです。運用には、Next.jsのキャッシュ機構とバックグラウンド処理をサポートする環境が求められます。

具体的な動作要件は以下の通りです。

  • 再生成間隔の指定
  • データソースの常時稼働

設定した秒数が経過した後のアクセスをトリガーに、新しいページが生成されます。大規模サイトでもビルド時間を短縮しつつ、最新情報を届けることが可能です。なおNext.js 15のキャッシュ仕様Next.js 16の最新動作で挙動が一部変更されているため、利用バージョンを必ず確認しましょう。

App Router利用時の挙動の違い

App Routerは従来のPages Routerと異なり、ルーティングや内部挙動に独自の特徴があります。デプロイのプロセスは同様ですが、サーバーコンポーネントなどの最新機能を活用する構成になっています。

主な違いを以下の表にまとめました。

項目Pages RouterApp Router
基本ルーティングpagesディレクトリappディレクトリ
共通レイアウト_app.tsxなどlayout.tsx
デフォルト設定クライアント側動作サーバー側動作
データ取得手法専用の関数を利用fetch APIを利用

Next.js App Routerの使い方で解説している機能をフル活用するには、Vercelなどの対応プラットフォームを選ぶのが確実です。移行時にはディレクトリ構造だけでなく、サーバーとクライアントの役割分担を正しく理解しましょう。

Next.jsのデプロイ先となる各サービスの比較

Next.jsのデプロイを表現したターコイズ基調の先進的なデジタルネットワーク。

Next.jsをデプロイする場所は、コストやパフォーマンスに大きな影響を与えます。開発元のVercel以外にも、多くのホスティングサービスがNext.jsに対応しました。

プロジェクトの要件に合わせて、最適なプラットフォームを選ぶことが大切です。App RouterやSSRなどの最新機能が動くか、事前によく確認しましょう。

サービス名Next.js対応状況主な特徴
Vercel完全対応開発元が提供しており、最新機能をすぐに利用できる。
Netlify対応主要な機能に対応していて、拡張性が高い。
Cloudflare Pages対応(一部制限あり)帯域幅の制限がなく、コストを抑えやすい。
AWS Amplify対応AWSの他サービスと連携しやすく、大規模開発に向く。

プロジェクトの予算別デプロイ先診断

予算の規模にあわせて、Next.js デプロイ先を選んでください。開発のフェーズやビジネスの目的に合わせるのが賢い選択です。

  • 予算をかけずに無料で始めたい
    • Cloudflare Pagesなら無料プランから商用利用ができ、帯域制限もありません。
  • 中規模なサイトを運用したい
    • Vercel Proは月額20ドルほどで、Next.jsの全ての機能をフル活用できます。
  • 既存のシステムと連携したい
    • AWSやGoogle Cloudなどのクラウドサービスが、大規模な環境には適しています。

各サービスの無料枠の上限

各サービスには無料枠がありますが、商用利用ができるかどうかに注意が必要です。プロジェクトを公開する前に、最新の利用規約をチェックしましょう。

サービス商用利用の可否リクエスト上限帯域幅
Vercel (Hobby)不可能10万回/月100GB/月
Netlify (Free)可能約12.5万回相当約30GB相当
Cloudflare Pages可能無制限無制限

VercelのHobbyプランは、個人の趣味開発に限定されています。アフィリエイトなどで収益を得るサイトは、有料プランへの移行が必要です。

月間PV数に応じた料金シミュレーション

PV数が伸びたときのコストを把握しておくことは、長期的な運用計画に直結します。2025年時点のデータをもとに、月額コストの目安を比較しました。

月間PV数CloudflareNetlify (Pro)Vercel (Pro)
10万PV0から30ドル程度20から50ドル程度20から100ドル程度
100万PV5ドルから19ドルから20ドルから

VercelやNetlifyは、無料枠を超えると従量課金が発生します。Cloudflareは帯域制限が緩いため、急なアクセス増でも費用を抑えやすいです。

商用利用時のランニングコストの目安

ビジネスでNext.js デプロイを行うなら、有料プランを選択するのが基本となります。安定した運用とサポートが受けられるため安心です。

  • Vercel Pro
    • 月額20ドルから利用でき、1TBの帯域幅が含まれます。
  • Netlify Pro
    • 月額19ドルからで、プライベートリポジトリからのデプロイに便利です。
  • Cloudflare Pages/Workers
    • 月額0から5ドル程度で、商用利用でも非常に安く運用できます。

機能を重視するならVercel、コスト優先ならCloudflare Pagesが有力な選択肢です。事前のNext.js環境構築を整えておけば、GitHubと連携してコードをプッシュするだけで自動的にサイトへ変更が反映されます。

VercelにNext.jsをデプロイする手順

Next.jsがターコイズ色のクラウドサーバーへデプロイされる様子を象徴した抽象的なイメージ図

Next.jsを公開する場所として、最も親和性が高く推奨されるのがVercelです。開発元が運営しているため、SSRやISRといったNext.js独自の機能を最大限に活用できます。

複雑なインフラ構築は不要で、GitHubと連携するだけで自動的なCI/CD環境が整います。最新の仕様に基づいた具体的なNext.jsデプロイ手順を5つのステップで解説しましょう。

① Vercelアカウントを作成する

まずはVercel公式サイトでアカウントを作成します。リポジトリ管理ツールと連携させるため、GitHubアカウントでのサインアップがおすすめです。

  1. Vercel公式サイトへアクセスして「Sign Up」を選択
  2. GitHubなどの利用しているプラットフォームを選んで連携
  3. ダッシュボードから「Add New」の「Project」をクリック

OAuth連携を利用すれば、後のリポジトリ接続がスムーズになります。セキュリティ面でも信頼性の高い運用が可能です。

② GitHubリポジトリを連携する

次に、ソースコードが格納されたGitHubリポジトリをVercelへ連携させます。

「Import Git Repository」の一覧から対象のリポジトリを探して「Import」ボタンを押してください。メインブランチにコードをプッシュするだけで、Vercelが変更を検知して自動でNext.jsデプロイを開始します。

現在はGit統合による自動化が主流で、より具体的なNext.js GitHub連携も併せて参照すると安心です。これにより、開発に集中しながら常に最新の状態を公開できます。

③ プロジェクトの各種設定を行う

リポジトリをインポートすると、プロジェクトの設定画面が表示されます。VercelはNext.jsを自動検出するため、基本はデフォルト設定で問題ありません。

設定項目内容備考
Framework PresetNext.js自動的に検出
Build Commandnpm run buildビルド用コマンド
Install Commandnpm install依存関係のインストール
Output Directory.next成果物の出力先

App Routerなどの最新機能を使用している場合も、Vercelが最適な設定を自動適用します。内容を確認したら次のステップへ進みましょう。

④ デプロイに必要な環境変数を指定する

APIキーやデータベースの接続情報など、機密情報を扱う場合は環境変数の設定が必須です。GitHubにプッシュしない「.env.local」の内容を、Vercelの管理画面に登録します。

  1. 設定画面の「Environment Variables」を開く
  2. 「Key」と「Value」をそれぞれ入力
  3. 適用する環境を選択して「Add」をクリック

設定を誤るとビルドエラーやデータ取得の失敗を招くため、正確に入力しましょう。正確な設定がNext.jsデプロイの成功に繋がります。

⑤ デプロイを実行する

すべての設定が完了したら「Deploy」ボタンを押して実行します。

  • 依存関係のインストール
  • アプリケーションのビルド
  • サーバーレス関数のセットアップ

ビルド終了後、「.vercel.app」のドメインを含む公開URLが発行されます。サイトへアクセスして正しく表示されていれば、Next.jsデプロイは完了です。

AWSにNext.jsをデプロイする手順

Next.jsのロゴが刻まれた光るパーツがネットワークに接続される様子

Next.jsアプリをAWSへ公開するなら、AWS Amplifyの利用が非常に効率的です。SSRやApp Routerといった最新機能にネイティブ対応しており、VercelのようにスムーズなNext.jsデプロイを実現できます。

インフラ構築の手間を省ける点が、Amplifyを選ぶ最大のメリットです。複雑なサーバー設定を自動で最適化してくれるため、開発者はコードに集中できます。

①AWSマネジメントコンソールにログインする

まずはプログラムの操作拠点となるAWSマネジメントコンソールへログインしてください。コンソール内の検索窓で「Amplify」と入力し、専用の管理画面を開きます。

利用するリージョンはアジアパシフィック(東京)の選択が推奨されます。国内ユーザーへ低遅延でNext.jsアプリを届けるために重要な設定です。

②Amplifyでアプリを作成する

ダッシュボードにある「新しいアプリを作成」ボタンから、デプロイ作業を開始しましょう。既存のコードをホスティングするオプションを選び、プロジェクトの準備を進めます。

Next.jsの各レンダリング手法に対するAmplifyの対応状況は以下の通りです。

レンダリング手法Amplifyの対応状況
SSG静的アセットとしてエッジから高速配信
SSRLambda等を利用したオンデマンド実行
ISR実行時の再生成とキャッシュの自動管理
画像最適化マネージドサービスによる自動処理

レンダリング手法を問わず、最適なパフォーマンスで公開可能です。

③GitHubリポジトリを接続する

ソースコードを管理しているGitHubなどのサービスを、Amplifyと連携させます。AWSに対してリポジトリへのアクセス権限を認可し、対象のプロジェクトを選択してください。

  • リポジトリの選択で公開したいNext.jsプロジェクトを指定
  • 本番環境として運用するメインブランチを選択
  • デプロイキーによる安全な接続でセキュリティを確保

この連携により、コードの変更を自動で検知できるようになります。

④ビルド設定を保存する

Amplifyはファイルをスキャンし、Next.js専用のビルドコマンドを自動で提案します。出力ディレクトリやNode.jsのバージョンが適切か、設定画面で確認しましょう。

APIキーなどの機密情報は、環境変数セクションに忘れず追加してください。開発環境と同じ設定を適用することで、ビルドエラーを未然に防げます。

⑤自動デプロイを開始する

設定内容を確認したら、保存してデプロイを実行します。プロビジョニングから検証までの工程が自動で進み、数分でNext.jsアプリが公開されます。

デプロイ完了後は専用のURLからサイトの閲覧が可能です。以降はGitHubへコードをpushするだけで、自動で更新が反映されるCI/CD環境が整います。

Cloudflare PagesにNext.jsをデプロイする手順

ターコイズ光が走るサーバー内のNext.jsロゴとクラウドデプロイのイメージ

Next.jsで構築したアプリをCloudflare Pagesへデプロイすると、世界中のエッジネットワークを活用した高速配信が可能になります。以前は静的サイト専用の印象がありましたが、現在はアダプターを使うことでSSRやApp Routerもフルサポートされました。

本記事では、最新のNext.js 15系にも対応したスムーズなデプロイ手順を詳しく解説します。

① Cloudflareのアカウントを作成する

プロジェクトの基盤となるCloudflareのアカウントを最初に作成します。このサービスは高度なセキュリティとホスティング機能を一貫して提供しており、ドメイン管理まで完結できる点が魅力です。

  1. 公式サイトへアクセスしてサインアップを選択
  2. メールアドレスとパスワードを入力して登録
  3. 届いた認証メールを確認してアカウントを有効化

手続きが終わったら、管理画面からWorkers & Pagesのセクションへ移動できるか確認しましょう。

② 管理画面からプロジェクトを作成する

アカウントの準備ができたら、Next.jsをホスティングするためのPagesプロジェクトを新しく作成します。このステップでは、ソースコードの管理先とCloudflareを紐付ける作業が必要です。

  • ダッシュボードのメニューからWorkers & Pagesを選択
  • Pagesタブを選び、プロジェクトを作成ボタンをクリック
  • Connect to Gitを選択してGitHubなどのサービスと連携

GitHub連携を行うと、コードをプッシュするたびに自動でNext.js デプロイが実行される環境が整います。

③ 対象リポジトリを選択する

連携済みのGitアカウント内から、デプロイしたいNext.jsのプロジェクトが入ったリポジトリを指定します。一覧から対象を選択し、セットアップを開始するボタンをクリックしてください。

リポジトリがプライベート設定になっていても、適切なアクセス権限を付与すれば問題なく読み込めます。

④ ビルドコマンドを指定する

Next.js デプロイを成功させるには、ビルドコマンドと出力ディレクトリの正確な設定が欠かせません。SSRを利用する場合と、静的エクスポート(SSG)を利用する場合の主な違いは以下の通りです。

項目SSR/Edge Runtimeを利用静的エクスポートの場合
Framework presetNext.jsNext.js (Static HTML Export)
Build commandnpx @cloudflare/next-on-pagesnpm run build
Build output directory.vercel/output/staticout

SSRを使う際は、ソースコード内でruntimeにedgeを指定し、あらかじめ必要なパッケージをインストールしておきます。また、管理画面の互換性フラグにnodejs_compatを追加しないと、Node.jsのAPI依存によるエラーが発生するため注意しましょう。

⑤ デプロイを実行する

すべての設定が完了したら、いよいよデプロイを実行してサイトを公開します。一度この設定を済ませれば、以降はGitHubへコードを送信するだけで自動的に最新状態が反映されます。

  1. 保存してデプロイをクリック
  2. ログ画面でビルドの進捗状況を確認
  3. Successと表示されれば作業完了

発行されたドメインにアクセスして、サイトが正しく表示されるか確認してください。エラーが出る場合は、Node.jsのバージョンや互換性フラグの設定を再確認することが大切です。

Next.jsのデプロイ時に発生するエラーの対処法

ターコイズに光るNext.jsロゴとサーバーネットワークの概念図

Next.jsデプロイを本番環境へ行う際、ビルドエラーに直面することは珍しくありません。VercelやAWS Amplify、Cloudflare Pagesでは依存関係の不整合が主な原因になります。

エラー時はクリーンインストールによる再ビルドが推奨されます。以下の手順でキャッシュやモジュールを削除してください。

  • rm -rf node_modules .vercel package-lock.json
  • npm install
  • vercel --prod

環境変数の設定漏れへの対処

Next.jsデプロイが失敗する代表的な原因に環境変数の設定ミスがあります。特にSSGを利用する場合、ビルド時に変数が必要なため管理画面での事前設定が欠かせません。

主要サービスで発生しやすいトラブルと対策をまとめました。

サービス発生しやすいエラー対処法
VercelCommand "npm run build" exited with 1ダッシュボードでEnvironment Variablesを再確認しクリーンビルドを実行
AWS AmplifySSGデプロイの失敗next.config.jsでprocess.env.AWS_BRANCHを参照し適切な値を設定
Renderネイティブモジュールの不足buildCommandにNODE_ENV=development npm installを付与

環境変数の反映には再ビルドが必須です。設定後は最新コードをプッシュするか手動で再デプロイを行いましょう。

ビルド時のメモリ不足への対処

ビルド時のメモリ不足やリソースの不整合もデプロイを阻害します。最近はライブラリのバージョン競合によりビルドプロセスが停止する事例も増えました。

依存関係を安全な状態に保つには、次の手順で整理を行ってください。

  1. 脆弱性が報告されたパッケージを確認
  2. 修正済みバージョンへアップデート
  3. node_modulesを削除し再インストール
  4. ローカルでビルドを確認してからプッシュ

依存関係を整理して挑むことがNext.jsデプロイの成功率を高める鍵です。脆弱性のない最新の状態を維持してください。

ルーティングの不具合の修正

デプロイ後に404エラーが出る場合はルーティングやビルドIDの設定を疑います。特にCloudflare Pagesなどのエッジプラットフォームでは設定の不一致が致命的です。

不具合を回避するためのポイントを確認してください。

  • ビルドIDの固定 next.config.jsにgenerateBuildIdを設定し、Gitのハッシュ値などでIDを固定します。これにより分散環境でのファイル読み込みミスを防げます。
  • 静的エクスポートの設定 Cloudflare Pages等で出力ディレクトリが見つからない場合は、output: 'export' を追記してください。プラットフォーム側の設定もNext.js(Static HTML Export)に変更します。

適切な設定により、意図した通りのディレクトリ構成でファイルが生成されます。

キャッシュ設定による不具合の解消

前回のビルドキャッシュが原因で最新のコードが反映されないケースがあります。これを解消するには、ホスティングサービスのキャッシュをバイパスして依存関係を再構築してください。

サービスごとの対応方法は以下の通りです。

  • Renderでの対応 buildCommandに --no-package-lock フラグを追加し、ロックファイルに依存しないインストールを行います。
  • Amplifyでの対応 amplify.yml内のartifacts設定を、SSRかSSGかに合わせて手動で再定義します。

キャッシュクリアはデプロイエラーを解決する強力な手段です。不自然な挙動が見られる場合は、Next.jsキャッシュの制御を見直し、クリーンな状態でのビルドを強制しましょう。

Next.jsをデプロイした後の運用ポイント

Next.jsロゴが刻まれたターコイズブルーに輝くデプロイを象徴する光のコア

Next.jsアプリケーションを公開した後は、安定した稼働と効率的な改善を支える運用の仕組みづくりが重要です。デプロイそのものがゴールではなく、その後の継続的なアップデートやトラブル対応を容易にすることが、プロダクトの成長には欠かせません。

現代の開発現場では、デプロイ後の運用を自動化・効率化するために以下の4つの観点が重視されています。

CIツールを用いた自動デプロイの構築

デプロイ作業を効率化するためには、CI(継続的インテグレーション)ツールを用いたNext.jsデプロイの自動化が不可欠です。手動でのアップロード作業はヒューマンエラーの原因となりますが、自動化によって常に正しく最新のコードが反映される環境が整います。

具体的には、GitHubなどのリポジトリ管理ツールと連携することで、コードをプッシュするだけで自動的にビルドとデプロイを実行できます。代表的なプラットフォームにおけるデプロイの特徴は以下の通りです。

サービス名自動デプロイの特徴主な用途
VercelGitHub連携によりmainブランチへのプッシュで本番反映。プルリクエスト時にプレビュー環境を生成。Webアプリ・SPA
Google CloudCloud Buildを活用し、Dockerベースのビルドを自動実行。大規模開発・マイクロサービス
GitHub Actions任意のタイミングや条件でビルドスクリプトを実行し、各ホスティング先へ配信。柔軟なワークフロー構築

モダンな開発環境ではgit pushをトリガーとした自動デプロイが標準となっており、Next.jsバージョン管理の手順と合わせて運用すれば、開発者がインフラ作業に費やす時間を大幅に削減できます。

IaCを活用したインフラ管理の効率化

インフラ構成をコードで管理するIaC(Infrastructure as Code)の導入は、環境の再現性と安全性を高める上で有効な手段です。設定ミスを防ぎ、将来的な環境拡張を容易にするメリットがあります。

特に複数のプロジェクトを並行して管理する場合や、本番環境とテスト環境を同一の設定に保つ必要がある際にその真価を発揮します。主な活用例として、以下が挙げられます。

  • TerraformやCloudFormationを用いたクラウドプロバイダーの設定管理
  • VercelやGoogle Cloudの設定をコード化し、リポジトリ内でバージョン管理
  • Dockerを用いたアプリケーション実行環境のパッケージ化

IaCを活用することで、サーバー構成やネットワーク設定がブラックボックス化するのを防ぎ、設定をNext.js TypeScriptで型安全に記述することでチーム全体でのインフラ共有がスムーズになります。

パフォーマンス監視ツールの導入

アプリケーション公開後は、ユーザーに快適な体験を提供し続けるためにパフォーマンス監視が欠かせません。Next.jsはSSR(サーバーサイドレンダリング)やISR(インクリメンタル静的再生成)など、サーバー側で処理を行う機能が豊富です。

そのため、サーバーの応答速度やリソースの使用状況を常に把握しておく必要があります。パフォーマンス監視を行う際は、以下の指標を重点的に確認しましょう。

  • LCP(Largest Contentful Paint):最大コンテンツの表示速度
  • FID(First Input Delay):ユーザーの操作に対する反応速度
  • サーバーのCPUやメモリ使用率
  • APIレスポンスの遅延状況

Vercelなどのプラットフォームが提供する標準の分析機能や、外部の監視ツールを導入することで、ボトルネックを早期に発見し、適切な最適化を行うことが可能になります。

エラーログ収集体制の構築

不測の事態が発生した際に迅速に原因を特定するため、エラーログの収集体制を構築しておくことが必須です。ローカル環境では再現できないユーザー固有の不具合を早期に検知し、修正するために行います。

ログが適切に管理されていないと、障害発生時に原因調査が難航し、サービス停止時間が長引くリスクがあります。効果的なログ管理の手順は以下の通りです。

  1. エラーログ収集ツールの選定
  2. エラーレベルに応じた通知設定
  3. エラー発生時の環境情報の自動取得
  4. 定期的なログの確認と改善タスクへの反映

適切なエラーログ収集体制を整えることで、Next.jsデプロイ後のトラブルシューティングをスムーズに行うことができ、ユーザーの信頼を損なうことなくサービスの品質を維持できます。

まとめ:要件や予算に合ったサービスを選びNext.jsのデプロイを成功させよう

本記事では、Next.jsをデプロイする際に欠かせないレンダリングの基礎知識から、主要なホスティングサービスの比較まで詳しく解説しました。各サービスの料金体系やエラーへの対処法を理解すれば、プロジェクトに最適なインフラ環境を選べるはずです。

Next.jsデプロイ先は、コストや運用負荷などの基準をもとに慎重に選定してください。最適な環境を構築することで、安定したパフォーマンスと効率的な運用保守を両立できるでしょう。

本記事のポイント

  • デプロイ先はコスト・パフォーマンス・運用のしやすさで選定する
  • VercelはGitHub連携がスムーズでSSRなどの機能を最大限に活かせる
  • AWSやCloudflare Pagesは大規模運用や独自の要件がある場合に強力な選択肢となる

この記事を通じて、ビルドエラーや環境変数の設定ミスを未然に防ぎ、スムーズな本番公開を実現してください。インフラ環境を整えることは、ユーザー体験の向上にも直結します。

もし自社プロジェクトにおけるNext.jsのデプロイ環境構築や、インフラの内製化でお困りのことがあればお気軽にご相談ください。専門のスタッフがお客様の課題解決をサポート。

参考文献

  1. Deploying to Vercel
  2. Deploy a Next.js app
  3. Deploy a Next.js site to Cloudflare Pages

執筆者

MT Templates 編集部
MT Templates 編集部

編集部

Next.jsやAIを活用したモダンWeb開発・SEO実装に関する情報を発信。SEOに最適化したモダンWebサイト制作、設計ノウハウ、構造化データや内部リンク設計などを中心に扱っています。

監修者

大野 浩史
大野 浩史

MT Templates 代表/編集長

海外メディア企業でSEOエディターとして従事後、独立。複数メディア運営の経験をもとに、Next.jsやAIを活用したWeb開発・SEO技術を発信。リード獲得につながるサイト構築からSEO設計まで一貫したサポートを提供している。

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